我が家には、4歳の長男と2歳の次男がいます。
おそらく多くの家庭では、2人目が生まれると上の子を「お兄ちゃん」とか「にいに・ねえね」と呼ぶことが増えるのではないでしょうか?でも、わたしは長男のことを「にいに」などと呼んだことが一度もありません。
今日はその理由について書いてみようと思います。
長男長女な私たち夫婦
わたしと夫は、どちらともその家の1番目の子、お兄ちゃんお姉ちゃんです。そして2人とも、下には弟が1人。
夫と義弟は2歳差。わたしと弟は6歳差。
夫婦ともに、幼少期は周りの大人から「お兄ちゃん」、「お姉ちゃん」と呼ばれ育ちました。まあ、もちろん一般的な話ですよね(笑)
長男のことを「お兄ちゃん」にしたくないと言い出したのは私です。それには、わたしの幼少期の体験が影響しています。
肩書きに縛られる子ども時代
私ひなこ、当時6歳。
戸惑いもあったけれど、ふにゃふにゃでっぷりしていて可愛い弟。はじめは、ただ可愛いだけの存在でした。
ですが、その感情はそう長くは続きません。
弟が成長していくとともに、《お母さんからの愛情を一身に受ける「ひなこ」》ではなくなっていく感覚。
わたしは、いつのまにか《弟の「お姉ちゃん」》になっていたのです。
「お姉ちゃんなんだから」
お姉ちゃんだから我慢しなきゃいけない
弟に大事なものを壊されても怒っちゃいけない
優しくしなきゃいけない
お姉ちゃんだからという言葉が、私を苦しめます。お姉ちゃんはすべからく心を殺して優しくしていなきゃいけない……。
私って誰だ?
なんでお母さんから「お姉ちゃん」って呼ばれなきゃいけないんだ?
ふにゃふにゃで可愛い弟は、いつしか憎い存在でしかなくなっていました。
ひなこ、6歳。
わたしだって「(弟の)お姉ちゃん」ではなく、ひとりの人間。
弟が生まれるまでは、何をしても愛してもらえていたはずなのに、「お姉ちゃん」になったとたん、良い子にしていなきゃ認めてもらえなくなりました。
お姉ちゃんになりたくてなったんじゃない
なかには「妹・弟が欲しいなぁ」と思っていた子もいるでしょう。
でも、みんながみんなそうではないし、そうだったとしても《お姉ちゃん》である前に、わたしはひなこです(急だな)。
もちろん、自分より小さい子に優しくする気持ちを育むことは、とても大切なこと。
でも、その理由に「お姉ちゃんだから」を挙げるのは、わたしは違うなと思います。
わたしにとっては、
「お姉ちゃん」「お兄ちゃん」という肩書き呼びは、呪いと変わりません(笑)
我が子をそう呼んでしまうと、遠回しに子どもの存在を否定してしまうような、そんな気分になってしまうのです。
ひとりの人間として向き合うために
夫はわたしのような、次男に対する怒りや嫉妬はなかったそうですが、それでも「お兄ちゃんだから我慢しなきゃいけない」と、自分の感情を抑え込んでいた記憶はあるそうです。
子育てに正解はないですし、わたしもこれが正しいかなんて分かりません。
でも、幼いころのわたしが抱いたあの感情を、自分の子どもには感じさせたくありません。
今日もそんな思いで、わたしは長男のことを名前で呼ぶのです。
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